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氏

名(国籍)

学 位 の 種 類

学 位 記 番 号

学位授与年月日

学位授与の要件

研 究 科 専 攻

学位論文題 目

えん

こう

苑

虎

博

士

儂

学)

農

博

第580号

平 成11年3月25日

学位規則第4条

第1項

該当

東北大学大学院農学研究科食糧化学専攻

(博士課程)

活性酸素存在下における新規微弱発光系の機構および活

性酸素消去物質の検索に関する研究

論文審査委員

(主 査)

教 授

教 授

教 授

一

陽

保

類

澤

久

大

大

宮

良

洋

夫

一185一

論 文 内 容 要 旨

序論

地 球 上 の 生 物 の ほ と ん ど は 好 気 性 生 物 で あ り , 大 気 中

の 酸 素(三

重 項 酸 素:302)を

呼 吸 し , 酸 素 か ら 水 へ の 四

電 子 還 元 を 利 用 し て エ ネ ル ギ ー を 得 て い る . ま た 植 物 で

は 逆 に 水 か ら 酸 素 へ の 四 電 子 酸 化 が 光 合 成 と し て 行 わ れ

て い る . し か し な が ら , こ の 四 電 子 還 元 あ る い は 酸 化 系

は 反 応 性 の 強 い ス ー パ ー オ キ シ ド, 過 酸 化 水 素 , ヒ ドロ

キ シ ル ラ ジ カ ル な ど の 活 性 酸 素 種 を 生 成 す る 系 で も あ る .

し た が っ て 発 生 す る 活 性 酸 素 を い か に 効 率 良 く 排 除 ま た

は 利 用 す る か が 生 命 を 維 持 す る 上 で 重 要 な 課 題 と な る .

最 近 , 吉 城 ら は フ ラ ボ ノ イ ドな ど の 天 然 ラ ジ カ ル 消 去

物 質 が 活 性 酸 素 種 お よ び ア セ トア ル デ ヒ ド存 在 下 に お い,

て 微 弱 発 光 す る ,XYZ系

微 弱 発 光 を 報 告 し た(Fig.1).

こ の 微 弱 発 光 強 度 は 用 い る フ ラ ボ ノ イ ドの 構 造 に よ り 影

響 さ れ , 従 来 報 告 さ れ て い る フ ラ ボ ノ イ ドの 活 性 酸 素 消

去 と 構 造 と の 関 係 に 高 い 相 関 性 を 示 す . ル ミ ノ ー ル や ル

シ ゲ ニ ン な ど の 生 物 発 光 体 で の 発 光 で は 活 性 酸 素 消 去 と

無 関 係 に 反 応 が 進 む と さ れ て お り ,XYZ系

微 弱 発 光 が

従 来 報 告 さ れ て い る 発 光 系 と 異 な る 機 構 を 持 つ 新 規 微 弱

発 光 系 で あ る こ と が 推 察 さ れ る . そ こ で , 本 研 究 で はX

YZ系

微 弱 発 光 と 活 性 酸 素 消 去 と の 関 係 に 着 目 し ,XY

Z系

微 弱 発 光 の 機 構 解 明 と そ の 応 用 を 試 み た . 第 一 章 で

はX,Y,Zの

組 み 合 わ せ に よ る そ れ ぞ れ の 発 光 特 性 と

こ のXYZ系

に 基 づ い た 活 性 酸 素 消 去 特 性 か ら 発 光 機 構

解 明 に つ い て 考 察 し た . ま た 第 二 章 で はXYZ系

微 弱 発

光 の 応 用 と し て , 微 弱 発 光 に よ る 活 性 酸 素 消 去 物 質 の 検

索 法 を 確 立 す る と と も に , 薬 用 植 物 , 血 漿 か ら 微 弱 発 光

物 質 の 分 画 を 行 っ た .

第 一 章XYZ系

微 弱 発 光 の 機 構

一186一

第1節

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/ア

セ トア ル デ ヒ ド系 に

お け る 微 弱 発 光

XYZ系

微 弱 発 光 の 最 も 単 純 系 で あ る 過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド 系 を 中 心 に 微 弱 発 光 特 性 , 活

性 酸 素 消 去 特 性 を 調 べ た . 微 弱 発 光 強 度 は 過 酸 化 水 素 ,

没 食 子 酸 , ア セ トア ル デ ヒ ドの そ れ ぞ れ の 濃 度 に 依 存 し ,

微 弱 発 光 強 度 と 濃 度 間 にP=ん[X][Y][Z]で

表 せ る 直 線 的 相

関 性 を 見 い だ す こ と が で き た . こ の 関 係 式 か らXYZ系

に お け る 微 弱 発 光 がXYZ成

分 の3次

反 応 生 成 物(エ

ネ

ル ギ ー)で

あ る こ と が 予 想 さ れ た . ま た カ テ キ ン の 微 弱

発 光 は 構 造 に よ り 明 確 な 違 い を 示 し ,B環

ヒ ド ロ キ シ ル

基 の 数(pyloga目or>catecoD,C環3位

の 置 換 基

(OH>galloyl),C-3位

置 換 基 とB環

のepimer体(一

>

+)で

顕 著 な 差 が 見 ら れ た . そ の 条 件 を す べ て 満 た し て い

る(一)一epiga目ocatechinで

特 に 高 い 微 弱 発 光 強 度 が 得 ら

れ , そ の 強 度 は 過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/ア

セ ト ア ル デ ヒ

ド系 の103倍

に 匹 敵 し た .発 光 波 長 は 発 光 強 度 ぼ ど カ テ キ

ン の 構 造 に よ る 違 い を 示 さ な い . し か し な が ら 没 食 子 酸

と カ テ キ ン と で は 顕 著 な 差 が 見 ら れ , 過 酸 化 水 素/没

食

子 酸/ア

セ トア ル デ ヒ ド系 で は658nmに

, 過 酸 化 水 素/

カ テ キ ン/ア

セ トア ル デ ヒ ド 系 で は608-603nmに

極 大 ス

ペ ク ト ル を 示 す 波 長 を 得 た . こ れ ら の 発 光 は 一 重 項 酸 素

の 発 光 波 長(荘max1270,1070,762,702,634nm)と

異

な る . ま た1270nmの

赤 外 光 測 定 で も 発 光 が 検 出 で き な

い こ と か ら ,XYZ系

微 弱 発 光 に 一 重 項 酸 素 の 関 与 は な

い と 言 え る . 発 光 ス ペ ク ト ル か らXYZ系

微 弱 発 光 は0-

0結

合 を 介 し たYとZの

コ ン プ レ ッ ク ス が 中 間 体 と し て

生 じ る と 推 測 さ れ た .

XYZ系

微 弱 発 光 は フ ラ ボ ノ イ ド が 本 来 の 消 去 能 を 示

す た め に , 米 エ ネ ル ギ ー 変 換 さ せ る も の , す な わ ちZ成

分 の 重 要 性 を 示 す . そ こ でXYZ系

微 弱 発 光 の 結 果 に 基

づ き 没 食 子 酸/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド 系 に よ る 活 性 酸 素 消 去

一187一

能 , 抗 酸 化 性 を 調 べ た . そ の 結 果YとZ成

分 に よ る 協 奏

効 果 を 見 い だ す こ と が で き た(Fig.2).

没 食 子 酸 の 酸 化

還 元 電 位(60mV)は5QOm納

過 酸 化 水 素 で 完 全 に 消 失 し , さ

ら に こ の 系 に ア セ ト ア ル デ ヒ ド を 加 え る こ と に よ り 濃 度

依 存 的 に 没 食 子 酸 の 標 準 電 位 が 復 元 さ れ た(Fig.3).

こ

れ ら の 結 果 は 活 性 酸 素 消 去 あ る い は 抗 酸 化 性 と い っ た 具

体 的 活 性 を 示 さ な い 物 質 が 没 食 子 酸 等 の 電 子 供 与 体 を リ

サ イ ク ル す る こ と に よ り 活 性 酸 素 消 去 能 を 持 続 さ せ る 可

能 性 を 示 唆 し て い る .

第2節

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/ペ

ル オ キ シ ダ ー ゼ 系 に

お け る 微 弱 発 光

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/HRP系

で は 過 酸 化 水 素/没

食

子 酸/ア

セ トア ル デ ヒ ド 系 の103倍

の 微 弱 発 光 強 度 を 示

す . 発 光 強 度 の 濃 度 依 存 性 を 調 べ た 結 果 , 高 い 依 存 性 が

認 め ら れ ぺ 特 徴 的 な 依 存 パ タ ー ン を 示 し た . 特 に 過 酸 化

水 素/HRPと

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸 の 濃 度 変 化 で は 過 酸

化 水 素/没

食 子 酸/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド 系 と 異 な るS字

曲

線 が 得 ら れ る . そ の モ ル 比 は 過 酸 化 水 素:没

食 子 酸:HRP

=63:1二1と

な る(Fig

.4).

過 酸 化 水 素/カ

テ キ ン/

HRP系

の 微 弱 発 光 強 度 を 比 較 し た 結 果 ,0.7-4.9×103の

発

光 強 度 を 示 し 過 酸 化 水 素/カ

テ キ ン/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド

系 ほ ど 顕 著 な 違 い は 見 ら れ な い . し か し な が ら , 発 光 ス

ペ ク ト ル で はC-3位

が ガ ロ イ ル 基 に 置 換 さ れ た ガ ロ イ

ル 体 で 短 波 長 側 に シ ョ ル ダ ー ピ ー ク(487-550nm)を

持 つ

と い う 特 徴 が 見 ら れ る(Fig.5).

ガ ロ イ ル 体 に よ る シ ョ

ル ダ ー ピ ー ク は 過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/HRP系

で 得 ら れ

る 発 光 ス ペ ク ト ル(519nm)に

類 似 し て い る こ と か ら , ガ

ロ イ ル 体 カ テ キ ン に は 反 応 部 位 がB環

と ガ ロ イ ル 部 位 の

2箇

所 存 在 し て い る と 考 え ら れ る . 微 弱 発 光 の 濃 度 依 存

性 曲 線 か ら ,過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/HRP系

の 微 弱 発 光 は

HRPの

過 酸 化 水 素 消 去 機 構 に 準 じ 次 の 機 構 で 生 じ る と 考

一188一

え ら れ た(Fig,6).

XYZ系

微 弱 発 光 の 結 果 に 基 づ き 活 性 酸 素 消 去 能 を 測

定 し た . そ の 結 果 , ヒ ド ロ キ シ ル ラ ジ カ ル で 没 食 子 酸/

HRP系

に よ る 協 奏 的 効 果 が 観 察 さ れ た . リ ノ ー ル 酸 自 動 酸

化 に 対 し てHRPは1節

で 述 べ た ア セ トア ル デ ヒ ド と 同 様

の 挙 動 を 示 し , そ れ 自 体 で は 酸 化 促 進 を 示 し た . 多 価 不

飽 和 脂 肪 酸 の 自 動 酸 化 は 二 重 結 合 閲 の メ チ レ ン 基 水 素 が

引 き 抜 か れ る こ と で 進 行 す る .XYZ系

微 弱 発 光 のZ成

分(ア

セ トア ル デ ヒ ド ,HRP)が

い ず れ も 酸 化 促 進 作 用 を

持 つ こ と か ら ,Z成

分 の 水 素 引 き 抜 き 活 性 も ま た こ の 微

弱 発 光 反 応 に 関 与 す る と 考 え ら れ る .

第3節

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/ヘ

モ グ ロ ビ ン 系 に お け

る 微 弱 発 光

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/Hb系

の 微 弱 発 光 は そ れ ぞ れ に

対 し 高 い 濃 度 依 存 性 を 示 し , そ の 依 存 性 は 過 酸 化 水 素/

没 食 子 酸/ア

セ トア ル デ ヒ ド系 と 同 様 の パ タ ー ン で あ っ

た . モ ル 比 を 計 算 す る と 過 酸 化 水 素:没

食 子 酸=Hb(Fe)=

3.4二1.2:1.0と

な り , 過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/HRP系

同 様 , 没 食 子 酸 とHbの

ヘ ム 鉄 は 等 モ ル 反 応 で あ る(Fig.

7).

過 酸 化 水 素 とHbあ

る い は ア セ トア ル デ ヒ ド の 反 応 比

は 過 酸 化 水 素 とHRPの

反 応 比 と 比 較 す る と そ れ ぞ れ1/20,

1/60と

な る . こ れ ら の 結 果 は 微 弱 発 光 か ら 求 め ら れ る 過

酸 化 水 素 とZ成

分 と の 反 応 比 が 過 酸 化 水 素 消 去 能(ペ

ル

オ キ シ ダ ー ゼ 活 性)を

表 す 一 手 段 と な り え る こ と を 示 唆

し て い る .

過 酸 化 水 素/カ

テ キ ン/Hb系

で もHRP系

同 様 , 微 弱 発

光 強 度 に カ テ キ ン の 構 造 に よ る 影 響 は 見 ら れ な か っ た が ,

発 光 ス ペ ク ト ル に は わ ず か に 違 い が 観 察 さ れ る . ま た 過

酸 化 水 素/没

食 子 酸/Hb系

の 極 大 発 光 波 長 は503nmで

あ

り , カ テ キ ン 類 と 異 な る 発 光 ス ペ ク ト ル を 示 し た . 過 酸

化 水 素/没

食 子 酸/ア

セ トア ル デ 』ヒ ド 系 で は658nm,

過

一189一

酸 化 水 素/没

食 子 酸/HRP系

で は519nmに

発 光 極 大 吸 収

を 示 しZの

種 類 に よ り 発 光 特 性 が 影 響 さ れ る . ま たYの

種 類 に よ り 発 光 強 度 , 発 光 ス ペ ク ト ル に 違 い が 観 察 さ れ

る . し た が っ てXYZ系

微 弱 発 光 は 単 一 の 物 質 か ら の 発

光 で は な く ,Y,Zの

複 合 体 あ る い はY,Zそ

れ ぞ れ の

励 起 種 か ら の 発 光 と 考 え ら れ2節4式

に 一 致 す る 結 論 が

得 ら れ た . 微 弱 発 光 のX,Y,Zに

対 す る 高 い 濃 度 依 存

性 も ま た こ の 結 論 を 裏 付 け る も の で あ る .

{節

,2節

同 様 ,没 食 子 酸/Hb系

の 活 性 酸 素 消 去 能 ,DPPH

ラ ジ カ ル 消 去 能 , リ ノ ー ル 酸 自 動 酸 化 に 対 す る 影 響 を 調

べ た . そ の 結 果 , ス ー パ ー オ キ シ ド消 去 , ヒ ド ロ キ シ ル

ラ ジ カ ル 消 去 ,DPPHラ

ジ カ ル 消 去 , 自 動 酸 化 に 対 し 顕 著

な 協 奏 効 果 が 見 ら れ た .没 食 子 酸/HRPで

は ス ー パ ー オ キ

シ ド 消 去 以 外 で 協 奏 的 効 果 を 示 し , ま た 没 食 子 酸/ア

セ

ト ア ル デ ヒ ド系 で はDPPHラ

ジ カ ル 消 去 の み で 協 奏 的 効 果

を 示 す こ と を す で に 明 ら か に し て い る . こ れ ら の 結 果 は

活 性 酸 素 種 あ る い は ラ ジ カ ル 種 消 去 に 特 異 的Y,Zの

組

み 合 わ せ が あ る こ と を 示 唆 し て い る .XYZ系

に 基 づ く

活 性 酸 素 消 去 お よ び 抗 酸 化 性 の 相 乗 効 果 は ,XYZ系

微

弱 発 光 が そ れ ら 活 性 酸 素 消 去 機 構 の 一 つ で あ る こ と を 示

唆 す る .

第 二 章

XYZ系

微 弱 発 光 の 活 性 酸 素 消 去 物 質 検 索 へ の

応 用

第1節

漢 方 薬 用 植 物 の 微 弱 発 光 成 分 の 検 出 お よ び 分 画

漢 方 薬 は 多 数 の 成 分 を 含 有 す る 生 薬 が 複 数 存 在 し て お

り , そ の 作 用 も そ れ ぞ れ の 成 分 の 作 用 だ け で な く , 相 互

作 用 も 含 め て 多 岐 に お よ ぶ こ と が 予 想 さ れ る .XYZ系

微 弱 発 光 は 従 来 の 活 性 酸 素 消 去 能 の 測 定 法 と 比 較 し 感 度

が 鋭 敏 で あ る , 試 料 調 製 , 測 定 が 簡 便 で あ る な ど の 特 徴

を 有 す る . 特 にV糊

カ メ ラ に よ る 微 弱 発 光 の 検 出 はXY

一190一

Z系

微 弱 発 光 が 物 質 の 溶 解 性 に 関 係 な く 反 応 す る こ と を

示 し , 一 種 の 界 面 反 応 で あ る こ と を 示 唆 す る . し た が っ

て 従 来 溶 解 性 の 面 か ら 測 定 が 困 難 で あ っ た 活 性 酸 素 消 去

物 質 の 検 索 , 食 品 , 生 体 組 織 な ど 複 合 成 分 の 総 合 的 判 断

な ど 多 岐 に わ た る 応 用 が 期 待 さ れ る . そ こ で 中 国 , 韓 国

で 使 用 さ れ て い る 薬 用 植 物 , 計98種

類 を 試 料 と し ,XY

Z系

微 弱 発 光 に 基 づ く 活 性 酸 素 消 去 物 質 の 簡 易 検 索 法 の

開 発 を 試 み た .

す

な

わ

ち6種

の

基

本

系(X:H202/sa田pie,XF

H202/samele/FeC12,XYH202/gallicacid/samele,

XYFH2a2/gallicacid/samele/FeG12,XZ

H202/sample/胴eCHO,XZF二H202/sample/聞eCHO/FeCi2)を

用

い た 各 試 料 のY,Z成

分 の ス ク リ ー ニ ン グ 法 で あ る .X

YZ系

微 弱 発 光 に よ る 漢 方 薬 用 植 物 の 活 性 酸 素 消 去 物 質

の 検 索 結 果 は 植 物 に よ りY,Z成

分 含 量 の 異 な る こ と を

示 し て い る . こ れ ら の 結 果 は 従 来 , 経 験 則 で 行 わ れ て き

た 漢 方 薬 用 植 物 の 複 合 的 作 用 を 化 学 的 に と ら え た も の で

あ り , こ れ ま で 不 明 瞭 と さ れ て い た 漢 方 薬 の 薬 学 的 研 究

に 貴 重 な 手 が か り を 提 供 す る も の と 期 待 さ れ る . さ ら に

98種

類 の 試 料 の 微 弱 発 光 強 度 と 活 性 酸 素 消 去 能 を 調 べ ,

特 に 微 弱 発 光 強 度 と 活 性 酸 素 消 去 能 あ る い は 抗 酸 化 性 に

高 い 相 関 性

の 見

ら れ

た

マ

メ 科

漢

方 薬 用

植

物

で

あ

る

" ρ1■1∂

ノ"" か"551"(中

国)か

ら 微 弱 発 光 成 分 の 分 画 を

行 っ た . 分 画 はHPLCと

微 弱 発 光 検 出 器 を 組 み 合 わ せ た 分

画 法 を 構 築 し(Fig.8),HPLC用

溶 媒(MeOH:H20:HAc=

500:9497:3)で

カ ラ ム 溶 出 後 , 微 弱 発 光 検 出 用 溶 媒

(H202:50酬PBS二

閉eCHOニ2:96:2)で

微 弱 発 光 物 質

を 検 出 し た(Fig.9).FAB-MSか

ら 分 子 量 フ ラ グ メ ン ト が

463<M-H+),

ア グ リ コ ン 解 裂 フ ラ グ メ ン ト が301㈲

一H+)に

検 出 さ れ ,1H-NMR,13C一

酬Rの

結 果 か らquercetln-3-0-

glucosideと.同

定 し た .漢 方 薬 で はquercetin等

の フ ラ ボ

ノ イ

ド が 電 子 供 与 体 と し て 活 性 酸 素 消 去 に 直 接 寄 与 す る

と と も に に , 生 体 成 分 と 複 合 的 に 作 用 しXYZ系

で 活 性

一191一

酸 素 消 去 に 関 与 す る と 考 え ら れ る .

ま た 本 研 究 で 開 発 し たXYZ系

微 弱 発 光 に よ る 活 性 酸

素 消 去 物 質 の 検 索 法 は 食 品 , 生 体 成 分 , 生 体 組 織 な ど に

も 適 用 で き る こ と か ら , そ の 幅 広 い 応 用 が 期 待 さ れ る .

第2節

血 漿 画 分 の 微 弱 発 光 成 分 の 検 出 お よ び 分 画

薬 物 代 謝 , 食 細 胞 に よ る 殺 菌 作 用 な ど の 生 体 内 的 因 子

あ る い は 紫 外 線 照 射 , 高 酸 素 条 件 下 な ど の 生 体 外 的 因 子

に よ り 生 じ る 活 性 酸 素 は タ ン パ ク , 脂 質 ,囲Aの

損 傷 な ど

酸 化 的 細 胞 障 害 の 原 因 と な り , 炎 症 , 循 環 器 疾 患 , 癌 な

ど を 引 き 起 こ す こ と か ら , 現 在 , 活 性 酸 素 と 疾 病 と の 関

係 に 興 味 が も た れ は じ め て い る . そ こ で 活 性 酸 素 関 連 疾

病 患 者 血 漿 , 活 性 酸 素 に 暴 露 さ れ た 状 態 に あ る 喫 煙 者 血

漿 を 用 い ,XYZ系

微 弱 発 光 の 観 点 か ら 健 常 者 と の 比 較

を 行 っ た .

flow法(CLD-110)に

よ る 微 弱 発 光 検 出 で 血 漿 はYと

し

て 作 用 す る . 過 酸 化 水 素/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド系 で 肺 癌 患

者 ,脳 梗 塞 患 者 ,健 常 人 血 漿 の 微 弱 発 光 強 度 をVHDL,HDL,

しDLVLDし

の 各 画 分 に 分 画 し 測 定 し た . そ の 結 果 , 病 態 ,

喫 煙 に よ り 血 漿 画 分 の 微 弱 発 光 強 度 に 明 ら か な 差 が 見 ら

れ , 特 にVH◎L画

分 で 顕 著 な 違 い が 見 ら れ た(Fig.10).

VHDし 画 分 の ス ー パ ー オ キ シ ド消 去 能 は 喫 煙 者 で0.98SOD

U/ml,

非 喫 煙 者 で1.39SODU/mlで

あ り ,XYZ系

微 弱

発 光 に 相 関 す る 結 果 を 得 る こ と が で き た . 微 弱 発 光 で 最

も 顕 著 な 差 が み ら れ たVHDL画

分 の 抗 酸 化 性 を 比 較 す る と ,

肺 癌 > 喫 煙 者 > 健 常 人 > 脳 梗 塞 と な り 微 弱 発 光 強 度 と 逆

相 関 を 示 す こ と が わ か っ た . こ れ ら の 結 果 は 血 漿 中 の 電

子 供 与 体(Y成

分 > が 減 少 す る こ と に よ り , 他 の 抗 酸 化

性 成 分 が 誘 因 さ れ る , ホ メ オ ス タ シ ス 機 構 が 働 い て い る

可 能 性 を 示 唆 す る . ま た 第1節

で 開 発 し たV湘

カ メ ラ に

よ るY,Z成

分 の 簡 易 検 索 法 で は 非 喫 煙 者 と 喫 煙 者 血 漿

間 にZと

し て の 差 が 観 察 さ れ る こ と か ら ,XYZ系

微 弱

一192一

発 光 的 見 解 で は 喫 煙 に よ り 血 漿 中 電:子 供 与 体 が 減 少 し ,

水 素 受 容 体 が 増 加 す る こ と で 血 漿 全 体 と し て 酸 化 促 進 傾

向 に あ る と 考 え ら れ た .

血 漿Y成

分 の 同 定 を 緬 羊 血 液 を 用 い 行 っ た . 血 漿 微 弱

発 光 物 質 の 単 離 は カ ラ ム ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー 法(Fig.11),

XYZ系

微 弱 発 光 法 , 種 々 の 成 分 分 析 法 と 組 み 合 わ せ 行

っ た . そ の 結 果 , ア ル ブ ミ ン の 関 与 が 強 く 示 唆 さ れ た .

ア ル ブ ミ ン はCys-34に

遊 離 チ オ ー ル を 有 し , 肝 疾 患 な ど

あ る 種 の 疾 病 で は ア ル ブ ミ ン の 形 質 変 化 が 観 察 さ れ る .

こ れ ら 活 性 酸 素 関 連 疾 病 あ る い は 活 性 酸 素 に 曝 さ れ た 状

態 に あ る 喫 煙 者 で も 同 様 の 形 質 変 化 が 起 こ っ て い る と 考

え ら れ る . 活 性 酸 素 関 連 疾 病 患 者 あ る い は 喫 煙 者 か ら 得

られ た 結 果 はXYZ系

微 弱 発 光 が 広 く 臨 床 に も 応 用 で き

る こ と を 示 唆 し て い る . ま た 酵 素 な ど 生 体 の 活 性 酸 素 消

去 成 分 含 量 を 定 量 す る 従 来 の 臨 床 検 査 と は 異 な り ,XY

Z系

微 弱 発 光 は 生 体 複 合 成 分 の 活 性 酸 素 消 去 活 性 を 直 接

測 定 で き る こ と か ら疾 病 時 に お け る 活 性 酸 素 消 去 成 分 の

動 態 を 表 す 指 標 と し て 期 待 さ れ る .

要 約

XYZ系

微 弱 発 光 を 基 本 系 で あ る 過 酸 化 水 素/没

食 子

酸/ア

セ ト ア ル デ ヒ ド 系 と 本 研 究 で 明 ら か に し た 過 酸 化

水 素/没

食 子 酸/HRP,

過 酸 化 水 素/没

食 子 酸/Hb系

と を

比 較 す る こ と に よ り ,XYZ系

微 弱 発 光 は ペ ル オ キ シ ダ

ー ゼ 様 反 応 と 同 様 の 反 応 で 進 み

,compoundll様

中 間 体 が

深 く 関 る こ と を 明 ら か に し た . 微 弱 発 光 系 に 基 づ い た 活

性 酸 素 消 去 の 結 果 はXYZ系

が 協 奏 的 効 果 を 与 え る 反 応

系 で あ る こ と を 示 す . ま たY,Zの

組 み 合 わ せ に よ り 特

異 的 活 性 酸 素 種 が 異 な る こ と か ら ,Y,Z成

分 の 組 み 合

わ せ が 重 要 で あ る と 考 え ら れ る .XYZ系

微 弱 発 光 に よ

る 漢 方 薬 用 植 物 の 活 性 酸 素 消 去 物 質 の 検 索 結 果 は 植 物 に

よ りY,Z成

分 含 量 の 異 な る こ と を 示 し て い る . こ れ ら

一193一

の 結 果 は 従 来 , 経 験 則 で 行 わ れ て き た 漢 方 薬 用 植 物 の 複

合 的 作 用 を 化 学 的 に と ら え た も の で あ り , こ れ ま で 不 明

瞭 と さ れ て い た 漢 方 薬 の 薬 学 的 研 究 に 貴 重 な 手 が か り を

提 供 す る も の と 期 待 さ れ る . さ ら に 活 性 酸 素 関 連 疾 病 患

者 と健 常 人 の 血 漿 で の 微 弱 発 光 の 違 い はXYZ系

微 弱 発

光 が 臨 床 に 応 用 で き る 可 能 性 を 示 唆 す る だ け で な く , こ

れ ま で 確 立 さ れ て き た 酵 素 , 電 子 伝 達 系 に よ る 活 性 酸 素

'

消 去 反 応 に 新 し い 知 見 を 与 え る と 考 え ら れ る .XYZ系

微 弱 発 光 を 基 本 と した 分 画 法 を 開 発 す る こ と に よ り 漢 方

薬 用 植 物 , 血 漿 等 の 粗 成 分 か ら 活 性 酸 素 消 去 成 分 を 単 離

す る こ と が で き た . こ れ ら の 結 果 はXYZ系

微 弱 発 光 に

よ る 簡 易 検 索 法 が 食 品 , 生 体 成 分 , 植 物 組 織 な ど 多 方 面

に 活 用 で き る こ と を 示 す と と も に , そ れ ら の 活 性 酸 素 消

去 能 を 総 合 的 に 判 断 す る 一 手 段 と な り 得 る こ と を 示 唆 し

て い る .

一194一

晦 欝 「

L紹'

晦

応

「

Electrondonor(Y)

flavonoids

anthocyanins

catechins

一

, ∴/_は

くて)ph.t.

・emissi. パ ぞ ン

ヒ

ちヘへ ロ

ノノ

セ

ム

4-7

/\

吟 \

./\

,\

v/.\1

\\

「

Mediator(Z)

DDMPsapon

acetaldehyde

藻1罵S!

Y+H20+Z

一

Fig.T.SchemeofphotonemissionintheX(reactiveoxygenspecies}

Y(electrondonor)Z(mediatorsystem)

Sample

nhibitorvratio(%

DPPHH202

GA(nμM)

McCHO(354mM)

GA+MeCHO

(一)一gallocatechin(GC)(0.1mM)

McCHO(10rnNl)

GC+MeCHO

10

5

3

45

0

80

3

く

ゾ

2

く

4

1

《

ノ

Z

L

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叢

唱

O

O

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)

8

竃

ぞ

8

』

<

0

0.1mMMcCHO

control

/

1.OmMGA

一一一一一"

McCHO+GA

_○_一

一6一一一一一一→ 一一岬}◆

0306090120

Reactiontime(hr)

Fig.2.DPPHradicalandH,O,scavengingactivitiesandantioxidativeactivities

inthegallicacid/MeCHOorcatechin/MeCHOsystem

]50

(

<

篭

)

蓄

ヒ

8

.

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.

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0

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123

McCHO(M)

4

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0

0

0

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(

<

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)

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窪

δ

.

ヨ

雲

ぐ

0

0

100

200300400

H202(mM)

500

Fig.3.Redox-potentialregenerationofgallicacidintheH,O,/gallicacid/MeCHO

system

一195一

isoo

0

0

0

0

2

.6

[

の

戯

9

一

}

一

噌

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ω

蕊

に

〇

一

〇

調

畠

0

wi恥8..8皿MH,O.

iay.2nn4rmN

]04.4

SZO

69.G

52

8000

6000

o

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一

q

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O

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(》

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Ll"N

zsuu

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・嘗1500

蚕

・言1000

ぎ

至

伽500

v

dOHO

(沁Uicaoi藍1(hL{)

wi重hO.王mMGA

tza

174nMHRP

139.2

ioa.a

G9.G

aas

)(

HyOy/GA/HRP

u

.520nm

窟

Ee=60ku'tUmol

0

0

0

つ

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1

0

0

0

0

1

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£

蕊

臓

£

.

罠

0

zoo

400600800

Wavelength(mnl,

1000

Photo職EmaxEe

(cou瓢s/s)(㎜

》(K副mo1)

a

3

691215

HydrogenperoxideImM)

wi11134.8μMHRP

1S

0,4

0.5mMGA

V.3

U.2

0.i

(一)一Catechin

(一)一Epicatechin

(一)一Gallocatechin

(一)'Eplganocatech血

(一)一Catechingallate

(一)一Epicatechingallate

(一)・Gall㏄atechiagallate

(一)一Epigallocatechingallate

Gallicacid

61062051

50061051

2,2×10ヨ6115i

7,0×1036105]

,

19×103661(550)50(55)

0.7×

夏03652(550)51(59)

L8x103637(500)51(64)

ら

4.9x10」637(487)52(62)

2.6xIO552060

023(>8tO1214

Hyd冊9飢hpei℃x五d巳(mM)

Fig.4.Concentrationdependenceofphoton

intensityintheH202/gallicacid/HRPsystem

Fig.5.Emissionspectraandexcitationenergyof

photonemissionintheHzO2/eatechin/HRPsystem

C

\轟,'

,

繊F・(皿)+H・0・

\/:\

ノ

→HX-F・(皿)一

〇・H+H+

\

ン

ノ7⊃

<2腿F・(皿)一 ・・H・AH・

→HX-Fe(W)㌔=0+'AH一+H20

[.,89「9卿置"'"膨89`'8'"8'

.

, \

弊

,(3)照e(町

0+6AH冒

眠

\1

/・

→HX-F・(W)一

〇H+A'

\/:\

,

ノ(4)HX.F,(即)一

.H.A・

,

∠

ノ

ー →HX*F・(皿)†A・OH

Fig.6.Possiblemechanismofchemiluminescenceofhemeproteininthe

XYZsystem

一196一

6000

0

0

0

0

0

0

4

2

(

Qり

畠

O

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〇

一

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島

0

withO.ImMGA

62μMHb

47

31

16

7

n

sa

60

H20,(mM)

90

120

0

0

0

4

0

0

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V

(

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0

0

∩

V

ヨ

ユ

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o

韻

0

w柚47μMHb

ioouMCA

80

60

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9000

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(

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き

)

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.

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8

ぢ

ま

0

v

30

so

H,O,(mM)

with194mMH与0り

耀

yo

czuMxb

47

3]

16

7

050100150200250

Gallicacid(ｵM)

Fig.7.Concentra醸ondependenceofphotonintensityintheH202/

gallicacid!Hbsystem

送液ボン.プ

0.9mレm加

一

化学発光検出器

[

「

-

}

穣算計

i

一

廃液

送液ポンプ

試料

↓

L

一

,・, r酌,・〆

2%H≧Q』

2%CH3CHO

を含 む5(励M

PBSΦH7,0)

劃

)

r

ー

.

v.`

5%メ

タ.!一.ル

(0.03%酢

酸 を'含む)

HPLC.カ

ラム

i}}上

uv検

出器

Fig.8.CL-HPLCsystemforanalysisofchemiluminescencesubstancesfrommedicalplant

extracts

一197一

Φ

O

鱈

⑩

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』

O

O

』

<

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⊆

Φ

芒

≡

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o

`

よ

column

filowrate

wavelength

Y膿C-A箭

一303

0.9ml/min

205nm

/RT16面n

lungcancerVHDL

HDL

LDL

VLDL

RT16min

\

一

HO

つ1

OHO

H

,

i

ク

M

HpOH

OH

cerebralapoplexyVHDL

H

H

HDL

LDL

VLDL

normalVHDL

HDL

しDL

VLDL

¶

050100150200

Photonintensity(CPS)

Fig.9.CLHPLCpatternQfchemilum血escencesubstance

丘omオ1伽

αノμ1肋 ∬ 加extracts

Fig.10.Comparisonofplasmafracrionsfromlung

cancerandcerebralapoplexypatientsbyphoton

intnsityintheH20z/MeCHOsystem

■■ABS(280nln)[

コABS(490nm)r幽

ドCL

0.3

2

0

1

0

o

o

葱

ρ

秋

o

の

ρ

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0

5000

4000

3000

2000

1000

0

(

の

山

⇔

)

わ

奮

Φ

縁

§

↑

o

爵

15202530354045

Fractionnumber

Fig.11.Elutionprofileofsheepplasmafractionatedby

Sepharose2Bcolumn

一198一

論 文 審 査 結 果 要 旨

活性酸素種(X),カ

テキン等の水素供与種(Y)お

よびDDMPサ

ポニン等の触媒種(Z)の

三者の存

在で,微 弱発光現象が生 じ,活 性酸素が消去する興味深い新規 と思われるXYZ微

弱発光系がみっかっ

た.本研究ではこのXYZ系

微弱発光と活性酸素消去との関係に着目し,XYZ微

弱発光と機構解明とその

応用を試みたものである.基本系である過酸化水素/没 食子酸/セ トアルデヒ ド系と本研究で明らかに

した過酸化水素/没 食子酸/HRP,過

酸化水素/没 食子酸/Hb系

とを比較することにより,XYZ系

微

弱発光はペルオキシダーゼ様反応 と同様の反応で進み,compoundH様

中間体が深 く関わることを明ら

かにした.これまで困難であった発光波長解析に成功 し,過 酸化水素/没 食子酸/セ トアルデヒドでは

658nm,過

酸化水素/没 食子酸/HRPで

は519nm,過

酸化水素/没 食子酸/Hbで

は503nmに

発光

極大波長がみられ,各 系における極大波長を明らかにしたことは注目に値する.微弱発光系に基づいた

活性酸素消去の結果は,Yは

アンチオキシダントであるのに対 し,Zは

プロオキシダン トであるが,Y

とが共存することにより協奏的によりつよいアンチオキシダン トに変化 し,XYZ系

が協奏的効果を与え

る反応系であることを明らかにした.またY,Z成

分の組み合わせにより特異的活性酸素種が異なるこ

とから,そ の消去にはその組み合わせが重要であることもわかった.この発光系を利用 し,VIMカ

メラ

による各X,Y,Z成

分の検索に成功 した.その結果,Yの

大部分はポリフェノール類であるのに対 し

て,Z成 分の範囲は広 く,水 可溶成分から不溶成分まで存在することがわかった.この検索法により,

漢方薬用植物からその典型的ポリフェノールとしてquercetin-3-0-glucosideを

同定することができた.

本研究で開発 した本検索法は食品,生 体成分,生 体組織などにも適用できることか ら,そ の幅広い応用

が期待できる.

さらに,且ow方(CLD-110)に

よる微弱発光検出で血漿はYと して観察され,そ の成分を単離 した結

果,ア ルブミンの関与が強 く示唆された.VIMカ

メラによる簡易検索法ではZと して喫煙者と非喫煙

者間の差異 を明らかにすることがで きた.これらの結果は臨床検査への応用が期待できる.

本研究におけるXYZ系 微弱発光は生体を中心とした身近な世界における非常に重要な基本的現象のよ

うに想定される.酸素に暴露された環境ではそれから生体 を守る生体防御系 として,生 体のなかでは活

性酸素消去系として重要な役割を演 じているものと思われる.今後のさらなる研究により,多 くの知見

が得 られるものと期待される.また,そ の機構解明により,電 子,プ ロトン,ハ イドロジェンの移動 と

フォトン発生との関係が明らかになるものと期待される.このような観点から,博 士(農 学)の 学位 を

授与するに値すると判定 した.

一199一